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ドモンド三軒茶屋ストーリー

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ドモンド三軒茶屋ストーリー

物件が紡ぐ物語




私は、青山にある小さなアパレルショップ店員。美容ライターとして副業もしながら、「30代のうちに自分のお店を開く」ことを目標に日々邁進している。


1ヶ月前までは、新卒で入社した会社に埼玉の実家から通っていた。だけど、知り合いの紹介で今のお店で働くようになってからは、実家からの通勤が大変になり、都内で家を探すことに。


青山から近い場所に住みたいけど、毎月の出費はできるだけ抑えたい……と思っていた矢先に、ここに出会った。


安い・アクセスがいい・きれい。こんな3拍子揃ったシェアハウス、東京にはめったにないと思っている。この物件をみつけた、1ヶ月前の自分を褒めてあげたい。




「おはよう〜」


「あ、おはよう。」


パジャマのままリビングに入ると、コーヒーを片手に部屋に戻ろうとしている同居人とすれ違う。今日は平日だから、これから仕事なんだろうな。


私はというと、今日は久しぶりに仕事がお休み。今週は6連勤だったから、二度寝ができる休日がしあわせ。



陽の当たる広いリビングで、リモコンを手に取る。ここでの生活は1ヶ月が経ってだいぶ慣れてきたけど、音があるほうが安心するから、誰もいない時はついテレビをつけてしまう。


実家にいた頃は、テレビを見ながら食事をしているとよく怒られたなあ。ここではそれも自由(笑)。


シェアハウスと言っても、鍵付きの個室では自分の空間が確保されているし、ほかの同居人との距離感もちょうどいいから、ひとり暮らしの時みたいに過ごせるのが心地いい。オンオフをはっきり分けたい、私のようなタイプにはぴったりな場所。



朝食を終えたら、重い腰を上げて洗濯をする。溜まりに溜まった洗濯物をみて、1週間よく働いたなあとしみじみ思う。


そういえば、ここに来る前にひとり暮らしをしていた時は、家事をしているだけで休日が終わってしまっていた。ここではスタッフさんにも掃除をしてもらえるから、時間に余裕ができて嬉しい。その上、ずぼらな私がやるより綺麗(笑)。


今日の夜は大学時代の友達と会うから、いつもより少しお洒落しよう。最近、新しく買った靴を履いて行こうかな。


玄関の靴箱が大きくて、ひとり当たりのスペースが充分あるし、ロングブーツもちゃんと収納できるのも、このシェアハウスの気に入っているところ。初めてここへ来た時、女心がわかってる……!と感動したのを覚えている。




家事をしていたら、なんだか小腹が空いてきた。軽くベースメイクだけして、近所にある油そばのお店で腹ごしらえしようっと。


今働いているお店がある青山は、どこもランチの値段が高いし上品なところが多い。それはそれで楽しいんだけど、こういう気軽にがっつり食べられるお店に来ると、大学時代を思い出して落ち着くなあ。女性ひとりでも入りやすいし、私にとっては心強い味方。



久しぶりに食べた油そばがおいしくて、つい食べすぎてしまった……。普段は健康に気を遣って脂っこい食事を避けているけど、今日は休日だから特別ってことにしておこう。


気を取り直して、着替えと残りのメイクを終えてもう一度出かける。待ち合わせまで、世田谷公園でウォーキングしてカロリーを消費しようかな。


平日だから、人が少なくて歩きやすい。三軒茶屋は、駅のまわりは賑わっていて都会的だけど、緑が多くて広々としたこの公園に足を踏み入れると、都会の喧騒から離れることができて心が穏やかになる。


普段は接客をしていて人と話すことが多いから、ひとりで静かに過ごしたい休日に、たまに足を運ぶことにしている。



公園を出て、気になっていた古着屋さんを覗きながらゆっくり駅へ向かう。この辺りはおいしそうなお店も多いから、今度行ってみたいなあ。スマホにメモしておこうっと。




待ち合わせの時間まで、あと30分。


キャロットタワーの中に入っているTSUTAYAで、ファッション誌を立ち読みしながら友達を待つ。最近流行りのコスメの特集ページを眺めながら、「次はこのコスメについての記事を書いてみようかなあ」と、つい仕事のネタを考えてしまう。


トントン。


肩を叩かれ、振り向くと友達が立っていた。集中していたから、全く気づかなかった。


「久しぶり!」


「元気だった?」


お互いの近況報告をしながら向かう先は、前から気になっていたビストロ。ひとりではなかなか行かないお店だから、友達が遊びに来てくれて嬉しい。今日は、月に一度の贅沢をする日。


久しぶりの再会に話が盛り上がって、二軒目へ行くことに。今度は、すずらん通りの居酒屋へ。


ハイボールで乾杯しながら、「さっきのお店もよかったけど、私にはやっぱりこっちのほうがしっくりくるな〜」と言う彼女の言葉に、思わず笑ってしまう。大人になっても、私たちは似たもの同士だ。




いつも仕事をしている時は、1時間が永遠に感じるのに、楽しい時間はあっという間。彼女も私も明日は仕事だから、今日は二軒目まで。翌日の予定を気にせずに遊んでいた頃を思い返しながら、私たちは大人になったんだなあと、彼女の横顔を見つめる。


「またね」


「明日も頑張ろうね」


そう言って駅で手を振って別れる。シェアハウスへの帰り道を歩きながら、遅い時間まで明るくて賑やかなこの町が、やっぱり好きだなあと思う。家まではずっと大通り沿いで、夜もひとりで歩いて帰れるから安心だ。




家に着いた頃には、酔いも少し収まっていた。


タイミングよくお風呂が空いているみたいだから、久しぶりにお湯を溜めてゆっくり浸かろうかな。広々したバスタブのおかげで、日々の疲れが癒される……。



寝る前に、今日の1日を振り返ってみる。小さい頃から何気なく続けている、私の習慣。


友達が遊びに来てくれたことで、学生の頃に憧れていた町に本当に住んでいるんだなあ……と、ようやく実感することができた気がする。


住み始めて1ヶ月が経って、自分の理想が形になりつつある部屋を、ゆっくり見回してみる。この部屋みたいに、私のこだわりが詰まった自分のお店を、いつか開きたいな。


日々に忙殺されていると、自分が何のために頑張っているのか忘れてしまいそうになる。だけどこの部屋がある限り、私は自分の夢を、何度でも思い出すことができる気がする。


憧れの町の中にある、私だけの空間。住む場所だって憧れを現実にすることができたんだから、夢だってきっと、叶えられるはず。




よし。明日からまた、頑張ろう。





※この記事は、架空の入居者の暮らしを描いたフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。物件設備や近隣店舗などは、2022年4月14日時点の情報に基づいて記載しています。


ライター:岡崎 菜波


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